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日々の気付きや考えの記録です

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企業にVisionはあるか

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今回は私が高校時代から尊敬する、元アウディのカーデザーナ―である和田智さんの著書からの引用です。

以下のポストにも書きましたが、「会社は株主のもの」という20世紀の資本主義が通用しなくなっている今、そしてこれからは、ますます顧客と社会のためになる事業を考えていかなければと考えます。

ishimex.hatenablog.jp



和田さんの著書からも「企業として何のために事業を興し、何をしようとしているのか?」という企業のVisionが、今後ますます重要になってくるのではないかという考えが読み取れます。

これまでのビジネス戦士の皆さんは、長い間本当によく戦ってきました。今の日本は、そんな大人が築き上げてきた世界です。彼らは草食系を認めるわけにはいかないでしょう。なぜなら、認めてしまうと、自分対大人がやってきたことを否定しなければならないからです。私は考えています。もはや力づくで何かを抑え、強いものが弱いものを食いつぶし、大きいものが小さいものを征服する時代はもう終わっていくのではないか、と。

これからは強は弱を制しない。大は小を兼ねない。見上げることも見下すこともない謙虚な姿勢の仕事と社会。それが新しい社会の理念になってほしいと思います。この理念に新しいクリエイティブを見ているのです。そして、何か本当に大切なものをデザインしていきたい。

今の企業に必要なのは、草食系の感覚をよく理解し、未来の社会貢献への道を広げ、彼らに託していくような体制ではないでしょうか。大きく変わりつつあるこの社会で、これまでのルールではコントロールできない状況が明らかに生まれています。ビジネスでも、先進国とこれまで発展途上国とされていた国々とではその民族性、宗教など価値観、考え方が大きく異なり、そのギャップから今後さらなる問題が想定されるでしょう。

このような環境で現在どこの企業も抱えている問題は、長年かけて作り上げてきた固まった企業体質から脱皮できないことです。企業として何のために事業を興し、何をしようとしているのか?シンプルですが大切な「Vision」が完全に欠如してしまっているように思います。Visionが持てなければ、人はただ単に苦しいだけの人生を送ることになってしまいます。逆に言えば、いかに苦しくともVisionさえあれば生きていけるのです。Visionとは「こころ」です。それはささいなものかもしれませんが、様々な人たちにVisionを提供することが自分の仕事。それがデザインだと思っています。

―和田智著『未来のつくりかた Audiで学んだこと』から引用

 

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