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Home Grown!

日々の気付きや考えの記録です

自分が好きなものには、生き方がまったく変わるような関わり方を

村上龍 読書 思考

「2ちゃん」で僕が一番違和感があるのは、あそこで交わされているいろいろな言葉が生き方を変えるようなものにならないということなんだよ。誹謗・中傷が飛び交って、プライバシーの問題というのもたしかにあるけど、どんなに過激でも、人の生き方がまったく変わるようなものではない。「あの発言はすごかった。自分も何とかしよう」という、ものすごい驚きがあるわけではない。「あれはああいうものだよ」「どうせこういうことだ」といった中傷や批判が並ぶだけでしょう。

あえて僕のことを言うと、自分が好きなものは、たとえばキューバ音楽でも「いいなあ」と思うと必然的に自分で呼ぶことになる。お金も使うし、人から批判を浴びることもある。でも、そうやって本格的に関わっていく。「貧しい国のミュージシャンがなんでこんなにうまいんだろう」と思ったり、演奏や歌に感動すると「彼らはこんなに貧しくても、こんなにハイレベルなことをやっている。自分も小説を書くときには、恥ずかしくないものを書かなくちゃいけない」と思うんだよね。

 
村上龍 著『「個」を見つめるダイアローグ』より引用