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顧客志向を貫き続ける勇気

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記事目次

 

顧客志向を貫き続ける難しさ

自社の既存ビジネスを守るための戦略ではなく、顧客に対して良質な製品・サービスを提供していくためにはどうすれば良いのか。どんな状況においてもそれを高いプライオリティをもって事業を運営していくことが重要だということは、経営者でなくとも企業に勤める人であれば想像に難くないと思います。

そして企業本位の経営を続けていけば徐々に顧客は離れていき、気がついたときには企業体質的にもう手遅れになっているか、後発のライバルに追いつけないほど追い抜かれている、などといった結末が待っていることも同じく想像に難くないと思います。

ですが、意外とこういったことが当たり前のことが、当たり前のように実践されないのが現実。

それは築き上げられたビジネスの湯温が徐々に変化しているのに、それに気づくことができない「茹でガエル」のような状況だったり、世の中の変化に合わせて自らが変化することを拒むことが原因にあると思うのですが、一番の原因はどんな状況下でも顧客志向を貫き続けられる勇気が足りないことにあるのではないかと思います。

ビジネスが上手くいっているときも、上手くいっていないときも、「顧客のことを第一に考えた製品・サービスを作っていくことが大事だ!」というコンセンサスを会社内・部署内で持たせられるかどうか。たとえ顧客からのクレームの声があがってきているのに「いまは売上最優先でこのままどんどん売っていこう」「売上が苦しくなっているのでコストカットをして利益を確保していこう」という意見が強くても、「いやそうじゃない」と、顧客のことを第一に考えることを声を大にして発言する勇気を持てるかどうか、だと思うのです。

 

ミシュランの製品開発フィロソフィーが勉強になる

フェルディナント・ヤマグチさんが日本ミシュランタイヤ ベルナール・デルマス社長に対して行ったインタビュー記事がそれを端的に表しているので、以下に引用します。

ミシュランの来季の利益だけを考えたらそうかもしれない。しかし、50年後のミシュランのことを考えたら、それはやったほうがいい。やるべきです。会社のためにもやったほうが良いし、未来の社会のためにもやったほうが良い。

―あれから60年、ミシュランは潰れていない。

思い出して下さい。これはミシュランが1950年代にラジアルタイヤを発売したときと同じ議論です。ラジアルタイヤの寿命は、バイアスの倍以上です。うんと長持ちする。全てがラジアルになってしまったら、我々の売り上げは激減して、ミシュランは潰れてしまう。ラジアルタイヤが世の中に出た時に、本当にそんな議論が有ったんです。

日本ミシュランタイヤ ベルナール・デルマス社長の言葉

business.nikkeibp.co.jp

 

C2Cビジネスが増加してくると「顧客志向」の重要性は高まる

最近、クラウドファンディングで個人の方がユニークなアイデアで資金を集めたり、個人のライターやジャーナリスト、漫画家が有料コンテンツを販売する「cakes(ケイクス)」や「note(ノート)」が盛り上がっていますが、こういったC2Cビジネスや、C2B2C、D2Cビジネスなどが伸びてくると、必然的に「個」に焦点が絞られた「顧客志向」のサービスが増加してきます。そうなるとこれまで以上に「顧客のことを第一に考えた製品・サービス設計」が重要になってきます。

 

顧客満足度」と「伸び率」という考え方

そこでヒントになるのは「伸び率」という考え方なのではと最近思うようになりました。『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』の2017年2月号に掲載されているキングコング西野さんのインタビューに「本当の『幸福度』というのは"クオリティー"ではなく"伸び率"だと思う」という一文があるのですが、これには「ナルホド」と思わされます。

どういうことかと言うと、普段テストで0点を取るような子が50点を取ったときと、普段90点を取るような子が80点を取ったときに起こることです。前者は喜べますが、後者は喜べない。つまり、製品のクオリティやスペック・値段などの数字の「絶対値」を追い求めても人は幸せを感じられなく、より良い方向に進んでいると感じられる「伸び率」に幸せを感じるのではないか、ということです。

そしてこの「伸び率」という考え方は、顧客志向を貫き続けてきたからこそ気づけたことだと思うのです。この考え方は、これからの時代のコンテンツ制作だけでなく、製品・サービス設計においても重要な考え方だと思いますので、ぜひ一読されることをオススメします。 

 

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